(公財)広島県男女共同参画財団「エソール広島」は,男女共同参画社会づくりのための拠点です

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6月

講座イベント実施報告

わたしらしい生き方を選択するためのワークショップ キックオフセミナー

令和4年6月4日(土),エソール広島で「わたしらしい生き方を選択するワークショップ キックオフセミナー」(広島県主催)を開催しました。
このセミナーは,性別にかかわらず,人生のステージに応じた様々な働き方,学び方,生き方について,知って,学んで,考えるというコンセプトで,「講演」,「ゲストスピーカーによるトーク」,そして「ゲストスピーカーと参加者によるグループワーク」の3部構成で実施しました。
学生や社会人など幅広い世代や立場の方,23名が参加されました。
 
講演「パパの家庭進出がひろしまを変えるのだ!」
前田晃平さん(NPO法人フローレンス代表室長)

 
ゲストスピーカートーク
ファシリテーター:丸山法子さん(一般社団法人リエゾン地域福祉研究所代表)


・「林業女子に聞くお仕事トーク」
 杉原遥さん(甲奴郡森林組合フォレストワーカー)

・「育休パパのお困りトーク」
 加藤秀一さん(積水ハウス(株)広島支店東店店長)

・「メディアから見た『男女』の『らしさ』トーク」
 ラン暁雨さん(中国新聞社報道センター記者)

・お題トーク
 「ジェンダーロールを押し付けられていると感じた言葉や出来事」
 「ジェンダーロールによる違和を感じていた時にかけられて嬉しかった言葉やされて嬉しかった出来事」
 
 
講演やトークを聞いた後のグループワークでは,「わたしらしい生き方」について,活発に意見が交わされていました。
 
また,アンケートには次のご意見が寄せられました。
・自分とは違った年代,立場の方の意見や考えを聞くことができて面白かった。
・小さい頃から「女らしく」に異和を感じてきた。その異和を他人に感じさせないようにしてきたつもりだったが,足りなかったなと反省している。できることを少しずつ広げていきます。
・育休制度の確立だけでなく,周りの人,個人の意識を改める必要があることを知った。
・講演,ゲストトークの中で自分も気付いてないけど「やってしまっている」と思うことがあり反省した。
・子育てを終えていく中であきらめたことを久々に思い出せた。
・人により考え方や視点は様々で,仕事や家庭において他人と共働するに当たり,自分の固定観念に寄りすぎないことを改めて認識した。
 
ご参加の皆さま,ゲストの皆さまありがとうございました!
このワークショップが,皆さまや周囲の方にとって,わたしらしい生き方を選択するためのひとつのきっかけになれば幸いです。

 

LGBT関連図書ビブリオフェス 6/12

 「LGBT関連図書ビブリオフェス」を6月12日日曜14:00~16:30エソール広島研修室で開催しました。
前回は4月24日に行いましたので2か月も間を空けずの開催でしたが,定員いっぱいの15名の参加をいただきました。とりわけ特徴的なのは,10代から70代という参加年齢の幅広さです。そうした年齢層の広さから闊達な意見が交わされるのだろうか,という主催者側の懸念をよそに,発表者のしっかり準備されたプレゼンに観覧者は熱心にメモをとりながら熱のこもった議論が行われました。
 発表は5分から7分で,その後質疑応答を行う流れで,一枠20分をめどに4名の方が愛読書を紹介してくださいました。発表の書籍のタイトルは以下の通りです。今回は4点の発表本の内,3点がマンガでした。
 
①アリス・オズマン(著),牧野琴子(訳)『ハートストッパー』(1)~(4) 路草コミックス  2021
②もちぎ『あたいと他の愛』文藝春秋 2019
③鶴谷香央理『メタモルフォーゼの縁側』KADOKAWA 2018
④如月かずさ『スペシャルQトなぼくら』講談社 2022 

 そして,今回も後半は交流時間を設け,ホワイトボードに記した発表で登場したキーワードを基に,また,参加者の話したいテーマからディスカッションを行いました。
終了後のアンケートをご紹介します。
 「東京や大都市ではLGBTQ+のイベントもたくさん開かれているのに広島ではなかなか見つけられず,LGBTQ+関係で初めて参加したイベントでした。自身のセクシュアリティ以外のセクシュアリティへの知識を広げることもでき,とても有意義な時間をすごすことができました。ありがとうございました」という記述があり,さらにもう一つ,「実際に当事者と話しをすることで『生の声』を知ることができ,本の文面だけでは知ることができないことを学ぶことができてとても良い経験になりました」というご意見をいただきました。
 上記のようなみなさまのアンケートの嬉しいご意見から「ビブリオフェスを続けていこう」というモチベーションにつながりましたし,また,書籍(図書)をツールとするイベントに年齢は関係ないのだと確信した今回のビブリオフェスでした。


 

コロナ禍の中での子育て,介護問題ーケアする側,される側の苦境を通して考えるージェンダーの視点から

5月8日(日)14:00~16:00に春日キスヨさんを講師にお迎えして,「コロナ禍のなかでの子育て,介護問題—ケアする側,される側の苦境を通して考える―ジェンダーの視点から」と題した公開講座を,エソール広島研修室と,zoomのハイブリッドで開催しました。会場は47人,オンラインでは45人の方にご参加いただきました。
コロナ禍がもたらしたダメージには格差があること,とりわけ長寿期高齢女性と,シングルマザーの苦境などデータを使って詳しく説明いただきました。また,その社会的要因についても深く掘り下げた内容でした。長寿期単身者が増え続ける社会で,これからを見据えた生き方をしっかり考えることが大事と,熱く語られた春日キスヨさん。
寄せられたアンケートからも,次につなぐテーマを見出すことができました。
ありがとうございました。
以下ふたつご紹介します。
「ジェンダーの視点から見る,介護,高齢者,シングルマザー等の問題,現代的な問題であり,常に耳にしながら,漠然と考えがちな問題について,その実相,当事者の生の声を通して問題点を指摘され,深く考えさせられました。」
「コロナ禍がもたらした高齢者への影響についての話。我が身に置き換えて話を聴くことができました。特にフレイルについては年を重ねるに従って深刻な問題だと思っています。」
今回の講座では,「支援」に携わる方へのメッセージも込められていました。それは,メンタルヘルスに問題を抱える方や,不安定な非正規雇用の方は,常に「不可視化」されており,コロナ禍以降の生活困窮者は膨大な数になっているが,そこに支援が届いているのか。また,その支援には専門的な知識や技術が不可欠であるとのご指摘でした。
エソール広島では,その一助となるように支援活動を行っている方へ向けての支援者養成講座「対人支援の技術~専門家から学ぶ~」を開催します。
支援をするとき,それぞれの専門家につなぐことが大事になってきます。どのような形で,どんな専門家につなげていけばいいのでしょうか。スキルアップを目指して,学んでみませんか。
全3回(1回につき3時間)の連続講座です。
□6月19日(日)13:00~16:00 臨床心理士 橋本 智恵美さん(杉原心理相談室)
□7月10日(日) 13:00~16:00  弁護士 寺本 佳代さん(八丁堀法律センター)
□7月24日(日) 13:00~16:00 医 師 田原 一優さん(京口門クリニック)・河野美代子さん(河野産婦人科クリニック)
 
 

 

第19期メンタルサポーター養成講座

この講座は,相談業務や,対人援助活動に携わる方を対象とした講座です。
社会の変化をとらえ,人間関係に現れる心理的課題に取り組み,人間のこころの成
り立ちを理解し,男女共同参画の視点を持った相談員を養成することを目的として
実施しました。
 
第19期は令和3年10月から令和4年4月まで,全7回にわたり開講し,23名の方
に受講いただきました。

 
開講日 テーマ 講 師
心理部門(5回)
10/31(日) 子どもの諸問題に対する理解と実際
~こころの発達と関わりの工夫~
古元 邦子さん
(心理相談室アフォーダンス代表・
臨床心理士・公認心理師)
11/27(土) 精神疾患の理解と心のケア 水谷剛司さん
(ほうゆう病院心理室長・
臨床心理士・公認心理師)
3/13(日) 夫婦・家族に対する支援
~家族カウンセリングを中心に~
村上雅彦さん
(広島ファミリールーム所長・
臨床心理士・公認心理師)
3/20(日) 認知症の人と介護家族者への心理的支援 野村妙子さん
(特別養護老人ホーム三滝苑施設長・
臨床心理士・公認心理師・社会福祉士)
4/10(日) 対人援助職のためのセルフケア
~学んだ知識や技能を生活で生かすために~
小早川久美子さん
(えなカウンセリングルームカウンセラー・
臨床心理士・公認心理師)
男女共同参画部門(2回)
11/14(日) コロナ禍であらわになる女性の苦境
~性被害とⅮVの実態と支援~
寺西環江さん
(弁護士)
12/12(日) 男性介護者が抱える苦悩
~ジェンダーの視点から読み解く~
春日キスヨさん
(臨床社会学者)

参加者からは,次のご感想をいただきました。
 
・子育て支援の方に携わっているので,子どもの発達や問題についてお話を聞けて
 よかったです。
・認知症については知らないことが多く,介護を心理で学ぶことができたので興味
 深かったです。今後の活動に役に立てるよう頑張りたいと思います。
・何となく知った気になっていたことを,より具体的に専門家の視点から正しく理
 解を深めることができました。
・心理学,社会学や弁護士の法的支援といった,多方面の重要で深い講義を受ける
 ことができて,とても学びがありました。
・特に最終日の「セルフケア」は長く安定したカウンセリングをするためにとても
 大切だと思いました。
 
受講生の皆さま,講師の皆さま,ありがとうございました。