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情報紙エソール
エソール広島では、情報紙「エソール」を年3回(4月・7月・1月)発行しています。
特集記事・行事報告・
読書ガイド・催し物等情報満載です。ぜひご覧ください。◆(希望者には郵送にてお送りします。)
VOL52(平成16年春号)

- エソール広島映画祭
- 2P
- アジミ所長を囲む会
- 4P
- (財)広島県女性会議2004年度事業紹介
- 5P
- エソールのページ
- 6P
- ひろしまけん通信
- 7P
- エソールインフォメーション
- 8P
情報紙「エソール」では,次号から,新企画としてテーマ投稿のコーナーを設け,読者の皆様の声を募集します。 より活気ある紙面づくりにぜひご協力下さい!!
「次に生まれ変わるとしたら,女がいいですか?男がいいですか?」
「自分の老後は誰とどんなふうに過ごしたいですか?」
・・・お好きなほうのテーマを選び次の要領でお寄せください。・・・
- 文字数
- 100字以内
(編集の都合上,趣旨を変えない範囲で原稿を編集する場合がありますので,あらかじめご了承ください。) - 投稿方法
- ご意見・住所・名前・年齢・性別・電話番号・匿名希望の有無(匿名希望の場合は ペンネーム)をご記入の上,郵便,FAXまたはE-mailでお寄せください。
- 締め切り
- 平成16(2004)年6月15日(火) 消印有効
- 送付先
- <郵便>
〒730-0043 広島市中区富士見町11-6
(財)広島県女性会議 情報紙係
<FAX> (082)240-5441 <E-mail>essor@essor.or.jp
※件名を「エソール投稿」にしてください。
平成15年度エソール広島映画祭実施報告
平成16(2004)年2月7日(土)エソール広島多目的ホールにて 11:00~・14:45~ 2回上映
山口県仙崎にある金子みすゞ記念館は昨年4月11日にオープンしましたが, 入場者はすでに18万5千人を超えています。 日本の文学記念館でこれほどたくさんの人が訪れるのはこれまでになかったそうです。
記念館の前にはこう書かれています。「誰の心の中にもみすゞさんはいます。 あなたの心の中のみすゞさんを見つけてくださるとうれしいです。」
「私とあなた」でなく「あなたと私」
果てしない宇宙観を持ったみすゞさんの宇宙には512編の星ぼしがあります。
(金子みすゞ「大漁」より)
これがみすゞさんの宇宙の中心星の「大漁」という詩です。僕は今から37年前大学1年の時,岩波文庫の「日本童謡集」の中でこの詩に出会い大きな衝撃を受けました。それまで私が知っていた大漁というのは,お魚がたくさん捕れてよかったというものだったのですが,みすゞさんの詩の中では捕らえられた魚も命だ,つまり私は鰮によって生かされている。「私と鰮」ではなく,「鰮と私」というまなざしです。仏教の始まりとなったお釈迦様の言葉に「万物と我と同根」という言葉があります。すべてのものがあって私がある。すべてのものによって私は生かされている。私ってなんてうれしい存在なのだろう。なぜならすべてのものがあってあなたはいていいよと言われている。みすゞさんは深いまなざしを持っていて,「私とあなた」ではなくて「あなたと私」なのです。「あなた」は他人ではなく,私を認識させる「もう一人の私」なのです。
この世はすべて「二つで一つ」
大漁という詩で気付くことがもう一つあります。 この世はすべて二つで一つだということです。 昼と夜,光と影のように,浜辺の喜びと海の中の悲しみ, 見えるものと見えないもの二つで一つです。昼がなければ夜はありません。 影がなければ光は光であることはできません。 二つで一つであるためには,まず相手を丸ごと受け入れることから始まります。 残念ながら20世紀のある時から,私たちは自分中心・人間中心で駆け抜けてきました。 この二つで一つということを具現化できるのは,「こだます」ことです。
「馬鹿」っていうと 「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと 「遊ばない」っていう。
そうしてあとで さみしくなって,
「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか,いいえ,誰でも。
(金子みすゞ「こだまでしょうか」より)
かつて私たちの周りにいてくれた素敵な大人の人は,みんなこだましてくれました。例えば僕が転んで「痛い」と言った時,僕の父や母は「痛いね」と言ってくれました。おじいちゃん,おばあちゃんはもっと上手に「痛いね,痛いね。ああ,痛いね,かわいそうだね。」何度も何度もこだまして繰り返してくれたおかげで,僕の痛さは半分に,半分に,半分に,半分になって,「泣くのをやめようよ,我慢しようよ。」という励ましが効果を発揮しました。わずか数秒の「痛いね」を言わずに,「痛くない」「泣くな」とこちらの思いや言いたいことを一方的にぶつけてきたため,子どもたちの心が果てしなく傷ついて寂しさで渦巻いているのに,私たちは気が付かなかったかもしれないのです。
大切なのはまず「痛いね」と受け入れてあげること,「寂しいね,そうだよね。」
とうなずいてあげることだとみすゞさんは言います。その後だったら,こちらの言いたいことはちゃんと届きます。
子どもは宝物です
みすゞさんにとって,この世の中には無用なものは一つもなく, 存在するだけで役に立っていると言います。 子どもは存在するだけでいいのです。私たちが何の不安もなく昨日と同じ今日を過ごせ, 今日と同じ明日を過ごせるのは,私たちの目の前に命をつないでくれる子どもたちがいるからです。 この世の中のすべての人が素晴らしい存在なのに,私たちはいつの間にか, いてくれるだけでうれしい理由すら忘れてしまって,こちらの言いたいことを一方的に言ってきました。 世界中の大人にとって,世界中の子どもは宝物です。
一人だけの幸せも一人だけの悲しみもありません。 大好きな人が幸せなことが自分の幸せ。 私の幸せなことがお友だちの幸せ。だからみすゞさんの幸せはにんべんが付いています。
ネパールへの「うれしさ飛ばし,倖(しあわ)せ飛ばし」
僕たちはネパールという国にみすゞさんのうれしさ飛ばし, 倖せ飛ばし,うれしいことは遠くへ飛ばしましょうというのをやっています。ネパールという国は世界でも一番貧しい国の一つです。 お釈迦様が生まれた国でありながら,いまだに5歳までに5人のうち1人, 多い時は2人が亡くなっており,平均寿命は50歳です。 また,ビタミンAが全くない食事をしているため, 40歳を過ぎるとほとんどの人が白内障で目がかすんでいます。 75%の女性は字が読めません。 オギノ芳信先生は30年前まで鎖国していたネパールへ最初に入った1人で, 小さい女の子が1時間ぐらいかけて水を汲みに行く過酷な状況を見て, まず井戸を掘ってあげることにしました。それから学校を建てました。 私たちもそのお手伝いをして,600万円で1つが建てられるので, 今までに2つ「みすゞ小学校」を建てました。 第2みすゞ小学校の開校式に,気温44度の中を子どもたちが15kmも歩いて来てくれました。
夜がくるまで沈んでる,昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ,見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの,瓦のすきに,だァまって,
春のくるまでかくれてる,つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ,見えぬものでもあるんだよ。
(金子みすゞ「星とたんぽぽ」より)
5年生が5人で,この詩を日本語で群読してくれました。 私たちの大好きな学校は目に見えるけれど,その後ろにはもっと大切なもの (日本のお父さんやお母さんやお友だちがお金を出してくれてこの学校が建ったこと) があって,目に見えるうれしいものがあると学校の先生が教えてくれたそうです。
金子みすゞさんという人の詩は,感動すると何かしたくなるだけの力を持っています。 それは誰の心の中にもみすゞさんがいるからです。 自分の中の大好きなみすゞさんに出会ってくださるとうれしいなと思います。
今日は財団法人広島県女性会議と広島県の女性の地位向上と社会参画をすすめる会という,みすゞさんと同じ,素敵な女性の集まりが主催の会にお呼びくださったことに感謝申し上げます。
(※作品出典 「金子みすゞ全集」(JUL出版局)より