トップページ > 情報 > 情報紙エソール > VOL49(平成15年夏号)
情報紙エソール
エソール広島では、情報紙「エソール」を年3回(4月・7月・1月)発行しています。
特集記事・行事報告・
読書ガイド・催し物等情報満載です。ぜひご覧ください。◆(希望者には郵送にてお送りします。)
VOL49(平成15年夏号)

- 待望の女性県議会員誕生!!
- 2P
- ひろしま女性いきいき講座
- 4P
- 受講生募集のご案内
- 5P
- エソールのページ
- 6P
- ひろしまけん通信
- 7P
- エソールインフォメーション
- 8P

平成15(2003)年6月8日(日) 広島市まちづくり市民交流プラザにて
この講演会は"第3期ひろしま女性いきいき講座"の受講生が企画し,開催しました。 "ひろしま女性いきいき講座"とは,男女共同参画社会の実現に向けて,具体的な活動手法や技能を身につけていくための実践活動を交えた講座です。 その実践活動として,今回,石川先生をお迎えし,この講座が開かれました。
講師:石川憲彦さん(児童精神科医)
<プロフィール>
1946年兵庫県生まれ。東京大学病院小児科勤務を経て,現在は静岡大学保健管理センター教授。障害をもつ子ども達と数多く接し,子育ての常識や神話に警告を発する。
「食う」「寝る」「遊ぶ」
今日の講演のテーマである「楽しむ」も「楽をする」も,それを目的としてその状況を作り出そうとすると難しい。ちょっと「楽になる」というのは,何かを楽しく作ろうとするからではなく,人間と人間が出会って,そこで緊張しているうちに,だんだん楽になったりする結果ではないだろうか。精神医学の基本は「食う・寝る・遊ぶ」である。いちばんいい遊び心は,ふっと目が覚めて外を見た時に,ああいい天気だとか,草花を見てみたいとか,ふっと湧き上がる「してみたい」という遊び心である。これが持てるときはだいたい病気にはならない。病気の時は「食う・寝る・遊ぶ」のどれかができない。
自己実現と摂食障害
大学生の4~5割が「自己実現」にこだわっていて,「私には実現すべき自己がない」「自分らしさがよく分からない」と悩んでいる。高校までは試験や教師の指導等による目標や評価の基準があったが,大学に入学し自由に遊べる状況になると,外から測られる価値がなくなり,自分を肯定する新たな基準を持とうとする。例えば,それが体重である。摂食障害は,偏差値に代わる自己評価の基準として現れた現象とみることもできる。
しかしながら,「自分らしさ」や「自己実現」というものが本当に人間にあるのかは疑問だ。今は,「個性の時代」で「個性が輝く」などという言い方もあるが,苦しいなと思う。人間なんて一番自由にならないもので,外から計られる価値がなくなったら,何かで自分を計ろうとしてしまう。
学校と子どもの関係性の変化としての「不登校」
30年くらい前までの子どもは,学校に行って頑張ることで嫌なことを忘れていた。しかし今は,嫌な状況をカバーする程,学校は魅力的ではなくなってきた。不登校の問題は,学校に行く,行かないからスタートするのではなく,学校と人間の関係性の変化として考えないと,子どもが抱えている問題は何も見えなくなる。不登校の子どもは,自分が考えていること,しようとすることと,周りがすること,家族が期待していることとの間で,せめぎ合いながら何が大事なのかを考えている。だから久しぶりに行った学校で,自分が考えていたイメージと現実との落差の大きさを認識し,また学校に行けなくなるという状況に陥る場合がある。この場合,学校に行くか行かないかが問題なのではなく,子どもの考えていることと現実とのずれ・違いをどう埋めていくかから問いをたてなければならない。
私たちを縛っているアメリカ的「自己責任」
人間は非常に弱くてだらしないものなのに,この20~30年のアメリカ型社会は,人間の弱さや脆さ,間違いを絶対に許さない。この社会のベースにあるのが「自己責任で拡大発展する」という考え方であり,これに従わない者は切り捨てられ,個人も企業も自己責任(これが「自己実現」の正体)で生き延びていかなければならなくなってきている。日本の学校もまた,アメリカ的な拡張主義に支配されており,それとは違う価値観を作り出せない。そのため,親は「そうはいってもこんなものだ」と既存の価値観を子どもに押し付け,子どもは「みんなの正しそうなこと」をやろうとする。そこで自分の考えと現実とのずれを感じ,不安になった子どもが引きこもったり,不登校になったりしている。これからの社会は基本的に縮んでいくしかない。それは怖いことだが,構えようはある。早くそこに居直る,そして今ある手持ちの力で明日を作っていく。10年かかろうが20年かかろうが,ゆっくりひとつずつ問題を解決していけばいい。
【企画したみなさんの感想から】
- 一人では何もできないけれど,10人が集まって,それぞれの力を発揮してできた。
- 広報されてから,実現できるという実感がわいた。
- 世の中のニーズを知ることができた。
- 企画がスタートして毎週集まるようになって,皆の顔がいきいきしてきた。
(第3期ひろしまいきいき講座受講生)