トップページ > 情報 > 情報紙エソール > VOL43(平成14年冬号)
情報紙エソール
エソール広島では、情報紙「エソール」を年3回(4月・7月・1月)発行しています。
特集記事・行事報告・
読書ガイド・催し物等情報満載です。ぜひご覧ください。◆(希望者には郵送にてお送りします。)
VOL43(平成14年冬号)

- 広島県男女共同参画推進条例
- 2,3P
- 講演会「女と男のなるほどゼミナール」
- 4,5P
- 市町村紹介・女性グループ紹介
- 6P
- ひろしまけん通信
- 7P
- エソールインフォメーション
- 8P
広島県男女共同参画推進条例が制定されました
平成13(2001)年12月定例広島県議会で「広島県男女共同参画推進条例」 が可決され,平成14年4月1日から施行されます。少子高齢化など社会環境が変化する中で,豊かで活力ある社会を築くためには,男女が社会の対等な構成員として,その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現が緊要な課題です。
このため,県としての強い意思を示すとともに,県,県民及び事業者の基本的な取組の方向性を明らかにし,男女共同参画を推進するため、必要な事項を定めたものです。
広島県のホームページでもご覧いただけます http://www.pref.hiroshima.lg.jp/
第13期ひろしま女性大学 第2期ひろしま女性いきいき講座開講記念講演会
(財)広島県女性会議では,男女共同参画社会の実現を目指して様々な事業を開催 しています。 平成13年(2001年)10月6日に行った講演会の内容の一部を紹介します。
プロフィール 愛知淑徳大学教授。心理学専攻。医学博士。
主要著書に「アイドル時代の神話」(朝日新聞社),「女の人生すごろく」(筑摩書房),「松田聖子論」(朝日文芸文庫),「ジェンダーの心理学」(共著・早稲田大学出版),「セクシュアリティの心理学」(有斐閣選書)。
(エソール広島情報センターにあります。)
未婚女性が結婚に望む「依存」と「保存」
現在,日本では未婚率も平均結婚年齢も上昇し続けています。 女性の平均初婚年齢は26.7歳,大学卒で東京都に在住している女性に限っていえば29歳を超えています。 また30代後半の男性の25.7%が未婚です。それに伴い少子化も進行,合計特殊出生率は1.34と世界第2位の低さです。
私の調査では,多くの女性は,仕事を継続したいから結婚しないのではなく,結婚願望があるにもかかわらず, 結婚していない。そして、その理由は「適当な相手がいない」というものでした。 では未婚女性にとっての「適当な相手」とはどのような相手なのでしょう。
大学卒の一般職の女性が結婚相手に望むものは3Cです。
3Cとは第1に「Comfortable」。快適な暮らしができるだけの充分な給料。子育て中は,自分は働かず育児に 専念し,夫の給料でリッチな生活がしたいというのです。
第2に「Communicative」。尊敬できる男性。友達に自慢できるような,自分と学歴が同等か,それ以上の男性がいい。
第3に「Cooperative」。家事に進んで協力してくれる男性。専業主婦の自分は子育てに専念するから, 夫には家事を半分負担してほしいといいます。経済的にも精神的にも,そして家事も「依存」。 この男性への本質的な「依存」があるから,なかなか結婚できないのです。
一方,大学卒以上の総合職あるいは専門職に就いている女性は,自分の今の生活状況をそのまま継続できるような結婚=「保存」を望んでいます。
未婚女性が結婚に望む「依存」と「保存」
1950年代から60年代にかけてアメリカのホームドラマの影響で「男は仕事、女は家庭」という専業主婦志向が広まりましたが, 現在、,「男性は仕事と家事、女性は家事と趣味的仕事」という新専業主婦志向が高まっています。 今の若い女性 にとって専業主婦とは何かになるためのステップアップのためのボードであり, 子育てが終わったら再び社会とつながりたいといいます。自分の能力を発揮して社会に認めてもらいたい, つまり生計のために仕事をするのではなく,自己実現のために働きたいと。嫌な仕事はせず,やりたいことだけやりたいと。 そしてその職種もエッセイストや翻訳家,料理研究家など結局は自分が主婦としてやってきた仕事の, あるいは女性的なジェンダーの延長線上にあるものです。しかし,そのような仕事で自己実現でき, 社会に認められる女性は限られています。それなのに自立できる職業を持とうと考えない。 早い話が労働からの逃走です。それは男性も同じで,ある調査によると「妻の収入がものすごく多ければ専業主夫になるか」 という質問に8割の既婚男性が「はい」と回答しています。そして若者が嫌う3K職場で外国人や高齢者が働いているのです。
男社会への復讐とこれからのフェミニズム
今,日本では,若者が労働から逃走し始め,フリーターやパラサイトシングルが増加するなど,「楽な方へ、楽な方へ」と流れる風潮があります。これをいい方に解釈すれば「若い女の子が自分の利益を最大に考えることが当たり前の時代になった」つまり女性に有利な時代に変わったともいえます。私は、若い女の子が,政府の専業主婦優遇政策や「働いているお母さんの子は不良になる」などという男社会の言説を額面どおりに受け取って,「専業主婦になってあげるから充分に稼いできなさい」と男社会に復讐している面白い現象だと思っています。これはフェミニズムのせいではなく,世の中が意図せざるところでそうした方向に動いているということです。
こうした若い女性にフェミニズムがどう介入していくのか,ものすごく難しい問題になっています。少子化の背景にある「からくり」と、今までのフェミニズムがもはや通用しない時代になっているということを知っておいてください。
(文責 (財)広島県女性会議)